SSブログ

ゴール裏のチカラ [独り言]

サッカー、Jリーグも後は最終節を残すばかりとなったこの週末、
ホーム最終戦を終えた後、セレモニーが行われたチームも
多々、ありました。
今季限りでチームを離れる選手の挨拶や、その他を、映像で
観ていると、特に思い入れがあった選手でなくても、歳のせいか、
涙が。
ましてや、昔から知っている選手が引退ときたひにゃ、目と同じ
幅の涙が。

でも、そういう挨拶の場を与えられる事もなく、いきなり、チームの
オフィシャルサイトの、「契約終了」の一文で、さよならの選手も
いる訳で、チームの事情とか、プロだから仕方がないとか、いろ
いろあるとは思いますが、時に、心に穴が…
最近は、昔と違って、そういうセレモニーを映像で観られるので、
余計に、寂しさを感じます。

引退といえば、その昔、井原正巳氏の引退試合を見に行った時、
試合後、セレモニーの始まる前だったか、浦和レッズのサポーターの
かたが、「よかったら旗を出すのを手伝って下さい」みたいな事を、
スタンドで、言って回っていて、浦和サポは、なんていい人だ!と
思った事を思い出します。(団体?に人も変ですが)

井原は、長らく日本代表で、「アジアの壁」で、横浜マリノス(母体は
日産自動車サッカー部/のちの横浜F・マリノス)の選手、という
印象が強かったので、そのキャリアの最後は、浦和だったにせよ、
ちょっとしかいなかった(というイメージだったのですみません)選手の
為に、浦和サポが走り回ってくれていたのは、正直、びっくりしました。

つーか、さらに正直にいえば、横浜は何もしてくれないのか?感が。
まぁ、バックスタンド一杯に、ビックユニフォームとフラッグ(?)を出す、
なんて、大きくスタンドを使うパフォーマンスは、少なくとも当時の横浜
サポーターの応援タイプではなかったとは思いますが。

自分の中で、浦和サポは、Jリーグが始まって、浦和が結構長い間、
結果を出せなかった事もあったのだとは思いますが、新聞や雑誌の
記事でみかける限り、熱狂的だけど、ダーティーな集団、なイメージ
でした。
実際、まだ二十世紀の頃の事ですが、観戦に行って、浦和ゴール裏
近くで観ていた時、応援なんでしょうが、聞くに耐えない事を叫んで
いる人も多くて、ちょっとなんだかな、と思った事もあったし。

しかし、井原の引退試合の1件で、自分の中では密かに、“浦和サポは
いい人”感が急上昇。
そして、2007年10月24日、ACL準決勝第二戦、浦和ホームでの
PK戦ですよ。
勝てば決勝へ、という、PK戦の始まる前、埼玉スタジアム2002の
スタンドを横切っていく、大旗、大旗。
その行く先は、PK戦の行われる、浦和側のゴール裏。
スタジアムのあちこちにいたのであろう、大旗を持った人たちが、粛々と、
浦和ゴール裏に集まって行く。

心が震えました。
そんな光景、見たことなかった。
井原の引退試合の時のように、誰かが声をかけてまわったのでしょうか。
あの広いスタジアムで。
サポートするチームの勝利の為に、集まろうとする大旗は、浦和のサポー
ターである事の「誇り」そのもののようでした。

浦和は、PK戦で勝利して(その時の浦和ゴール裏の様子は必見!)、
結局、その年のアジアクラブチームチャンピオンになって、クラブワールド
カップ(CWC)に出場しました。
日本で初めて世界に出るクラブチームが、浦和でよかった、と、心から
思いました。
強いチーム、素晴らしいサポーター、特別、浦和のファンでもサポーター
でもない自分でさえ、誇らしかった。
日本にも、こんな素晴らしい、サッカーのクラブチームがあるんだぞ!、と。

今はもう、Jリーグを観に行って、あいていた席にすわったら、そこがたまたま、
浦和のゴール裏近くだった、なんて事は、ないと思いますが、あの時、
延々と続く、浦和選手への野次に辟易していた自分を思い出すと、感慨
深いものがあります。

もちろん、一人一人になれば、今でも、もしかしたら、なんだかな、な、人も
いるのかもしれませんが、浦和サポのスタジアム内での応援は、試合中・
試合直後のチームへの不満を示すやり方も含め、自分は、クラブサポーターの
理想型の一つだと思っています。

シーズン終了近く、ホームチームのセレモニーの間も、アウェイゴール裏の
人たちが残っていてくれて、選手の挨拶に拍手してくれたりしているのを
観ながら涙していると、自分は、やっぱり、こういうあり方が好きだなぁ、と、
あの冬の日に、井原の為に、走り回ってくれていた、浦和サポを思い出す
のです。
nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:スポーツ

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。