カンガルーがあらわれた！ カンガルーはカプセルを見つけた！

それは砂漠に住むカンガルー。
大気の震えに目が覚めた。

季節は、これから、どんどん寒くなっていく。
大気は澄んで、夜空には、満天の星。

そんな夜空を切り裂く一条の光。
大気はますます震え、流れ星は、夜空を見上げる
カンガルーに向かってくるようで。

静けさが戻ってきた頃、カンガルーは「そちら」を
目指して、てってけ、跳ねていった。

そこには「何か」が落ちていて、近づいた時に
勢いあまって、けっ飛ばしてしまって、痛いおもいをした
カンガルーは、憤然と、「それ」に近づいていった。

先制攻撃をしかける。
ふっとんだ「それ」の様子を、カンガルーは、鼻息も荒く、
しばらく、うかがう。
反撃はなかった。
が、念のため、もう一蹴りしてみる。

「それ」は動かない。
カンガルーは、その前肢を使って、うまく、「それ」を
持ち上げてみた。
結構、重い、「それ」の匂いを、ふんふんとかいでみる。
かじってみたが、固かった。

食べ物ではないと判断したカンガルーは、興味を
失って、あちこちが凹んで、ちょっと割れかけた「それ」を
放置して、寝床に戻っていった…

オーストラリアは、ウーメラ砂漠に住む、カンガルーが、
大きな流れ星があった夜に見た夢。

目が覚めた時には、その周辺には、いつもはいないはずの
「人間」の気配が、やけにたくさんあった。

「人間」たちは、皆、興奮しているようで、カンガルーは、
今日は、そちらのほうには、行かない事に決めて、
てってけ、朝食にむかう事にした。

カンガルーは、ふと、明るくなり始めた空を見上げる。
夜、一つの命が燃え尽きて、大気に溶けていった。
大気は巡る。　永遠に地球から消える事なく。

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