あがりたいならウチに勝て！！

対戦相手のサポーターから、そう、告げられたら、どう思う？
でも、そこには、話せば長い事ながら、愛があったんだ。

ＪＦＬ－日本フットボールリーグは、日本全国にあるサッカー
チーム／クラブの、アマチュアカテゴリーでの、ピラミッドの
頂点にあるリーグで。

プロリーグ－Ｊリーグへの登竜門でもある。
Ｊリーグ入りを目指すチーム／クラブにとっては。

２０１０年、自分は、ＪＦＬで戦う、Ｊリーグ入りを目指す、
“ガイナーレ鳥取”をウォッチしていた。

その前のシーズン、鳥取は、上位には、いたけれど、Ｊリーグ
入りを逃していた。
その残念な試合を、中海テレビ放送で、たしか、見ていた記憶が
ある。

記事「鳥取には中海テレビ放送がある」に、書いていたけれど、
ネットで、ＪＦＬの試合のライブ中継が見られるなんて、しかも、
ＪＦＡ－ＴＶじゃなくて、ホームゲームを、その地元のケーブル
テレビ局が、ライブ中継ですよ、技術の進歩、ひゃっほー！、
ビバ、中海テレビ放送！、という、中海テレビ放送ありきの
入りかたではあったのだが。

ＪＦＬは、アマチュアチームのトップリーグでもあるので、
企業チームが多い。
企業チームは、ＪＦＬで優勝しても、Ｊリーグ入りはしない。

強い企業チームというのは、Ｊリーグ入りの条件を満たす為に、
上位に入りたいチーム／クラブにとっては、勝ち点の積み上げを
阻む存在でもある。

門番。

ＪＦＬには、そう、呼ばれるチームがある。

“ＳＡＧＡＷＡ　ＳＨＩＧＡ　ＦＣ”－佐川滋賀は、鳥取が
残念な想いをした２００９年の、ＪＦＬ優勝チームだった。
そのシーズン、鳥取は、佐川滋賀から、勝ち点を取れなかった。

２０１０年、鳥取は、前期、連勝を続けた。
でも、前期１７節中、ただ１回、勝ち点０だった、その試合の
相手が、佐川滋賀。

それでも、そのシーズン、鳥取は、独走していて、来季の
Ｊリーグ入りは、ほぼ確実になった。

そして、後期第９節、鳥取ホームの、２０１０年９月１９日。

アウェーゴール裏、決して、多いとはいえない、佐川滋賀の
サポーターが、弾幕を張る。

“あがりたいならウチに勝て！！”

真に強きチームの、そのサポーターが、アウェーに足を運んで、
それを告げる。

愛だろ？

鳥取は、ガイナーレ鳥取になってから初めて、佐川滋賀に
勝利して、そのシーズン、Ｊリーグへの昇格を決めた。
そのシーズン、佐川滋賀は、２位だった。

翌年、ＪＦＬ優勝を決めたのは佐川滋賀。

２０１２年。

２０１３年１月３１日をもっての、SAGAWA SHIGA FCの休部が
発表された。
今シーズンをもって、佐川滋賀は、ＪＦＬを退会する。

“門番”の呼び名を、佐川滋賀のチーム、関係者、並びに
サポーターが、どう、思っていたかは、わからない。

でも、自分は、いつも、その名に、強きチームへの尊敬と、
敬愛を覚えていたし、その名をもつチームに勝利する事は、
特別だった。

ＪＦＬのありかたとか、宿命とはいえ、母体企業の業績を
受けない訳にはいかない企業チームのありかたとか、いろ
いろ、思うところはある。

純粋に寂しいし、いずれ、日本の景気がよくなって、
佐川滋賀が帰ってきたら、いいのに、と、思わずには
いられない。

だけど、今は、ＪＦＬでの、鳥取との最後の対戦で、試合後、
佐川滋賀のサポーターが出してくれた弾幕の一文で、
この記事を締めようと思う。

“さようなら、またあう日まで”

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