箱の上の…

現場の実状を知っていたら、とても利用出来ないものは、
結構、あるんじゃないかと思っている訳ですが。
お医者さんの使う内視鏡、その機種を使うのは、自分に、が
初めて、なんて事は、知りたくない。
自分は。

それと同時に、何やら、自分に縁のない、物や事を、自在に
操る様子は、なんだか、見ていてあきない。
工事現場の、でっかいクレーンやパワーショベルの動く様
なんて、事情が許すなら、延々と、見てしまいますね。
ああいうのを、操作する人になってみたいなぁ、とか。

エレベーターの定期点検をしているところに、通りかかった
訳です。
保守の人が、２０階だてのビルなら、２０階と１９階の間に、
エレベーターの人が乗る箱部分をとめて、箱の上の、からくりを、
開けたままの扉部分から、のぞきこんで、あれこれしている訳です。

すげーなー、あんな、訳のわからん、からくりを、何かして
いる、そのおかげで、エレベーターを使えるのだなぁ、１基、
使用停止中なのは、不便だがなー

とか何とか思いながら、動いているエレベーターが来るのを
待ちつつ、見ていたら。

保守の人が、箱の上に、作業の場を移したのです。
そうしたら、開いていた扉が閉まったのです。

ひいいぃー！
あんな、閉じこめられ状態で、なにか作業するなんて、無理ー！

神様が、もし、１回だけ、技術もノウハウも授けるから、エレ
ベーターの保守をしていいよ、と、言われても、つつしんで
辞退させていただきたいと思います。

そしてその光景を見て以来。
箱の上に、保守点検の時に、回収し忘れた工具なんかが、
実はあって。
何かのはずみに、それが、動いたり落ちそうになったりして、
エレベーターがとまって。
なんて事になったら、どうしよう、という、恐い考えになって
しまうのです。

ああ、見なきゃよかった。

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