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ミュージカル座創立20周年公演「何処へ行く」を観に行った [独り言]

(一部敬称略)

“クオ・ヴァディス”といえば、「QUO VADIS~クオ・ヴァディス~」(新谷かおる/佐伯かよの)、“使徒ペテロ”といえば、「聖☆おにいさん」(中村光)、古代ローマといえば、「テルマエ・ロマエ」(ヤマザキマリ)な自分。

2015年11月、ミュージカル座創立20周年公演 『何処へ行く』。
原作であるところの、ヘンリク・シェンキェヴィチ「クオ・ワディス」(岩波書店版)は、もちろん読んでいますが。

それを“全編歌で綴るポップ・オペラ形式のミュージカル”(ミュージカル座サイトより)って一体!?、と思いながら観にいったら、本当に、99.9パーセントは歌でした。

結論から言うと、この公演は、原作を読む前に1回、読んでから1回、ローマ施政側の視点で1回、民衆側の視点で1回、と、最低4回は観たほうがいいです。

原作を読んでいない者は幸いである…

自分は原作を読んでいたので、頭の中で台詞(歌ですが)や場面を補完しながら観ていて、こうやってきたか、あのエピソードを持ってくるとは!、いやぁこれはないだろ…、などなど、頭の中の自分がうるさかった。

しかし、という事は、原作を知らないかたには、とっつきにくいところがあるのかもしれません。
また、原作のキモは、さすがに3時間ない舞台では、予想していたとはいえ、えがかれる事はなく、そこは残念でした。
というか、オチで、笑いをこらえて鼻水でた。

それはそれとして、特にラストに向かってたたみかける展開の第二幕、役者さんがた、きっと手足、打撲のアザだらけだろうと心配にすらなる演技と、あれだけ動きながらの歌。
時々、頭の中からのツッコミをききながらも、夢中で観ていました。

しかし、十字架にかけられた若い娘さんを鞭打つとか、全く、「エリ、エリ、レマ、サバクタニ。」なんですが。
演出とわかっていても、神様がいるなら、あの兵士に神罰を、と考えた自分は、キリスト教徒になる運命がもしこの先にあったら、その道は険しい。
もちろん、兵士役の役者さんには、罪はないです、神様。

劇中、皇帝ネロを演じられていた役者さんは、「きゃべつの先生」(と自分は呼んでいる)でした。
かつて「ひめゆり」を観に行った時に、そのフラグの立て方と、ツッコミどころの多さに、忘れようにも忘れられない「きゃべつの先生」。

「きゃべつの先生」がネロを演じている訳ではなく、もちろん、同じ役者さんが、きゃべつの先生もネロも演じていらっしゃるのですが、お名前は(失礼ながら)うろ覚えでも、その字面を見たら、自分の中では、あっ!、きゃべつの先生だ、と思い出す、その、菊地まさはる氏演じるネロは、楽しゅうございました。(ほめ言葉的な意味で)

ネロの妃ポッパエアの、特に第二幕の後半の、表情のお芝居もよくて、しかし、役者さんお一人お一人のお芝居の事を言い出したらきりがない、というか、上述の最低4回に、出来れば、舞台前方でのお芝居がん見で1回も追加で。

時々、音響のせいか、ソロですら、何と歌っているかよくわからない舞台もありますが、この公演は、センターブロックの席ではなかったですが、全くそんな事もなく、歌声(特にアンサンブル)を堪能しました。

原作ありきで観ると、ストーリー展開は台無しかもしれませんが、別物と割り切れば、見どころ、聴きどころ満載で、楽しい3時間になると思います。
再演があったら、ぜひ。
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